氷牙さんとは、どうかというと……
1年前のあの日から、会っていない。
一目ぼれした相手が
私じゃなかったと知った途端
氷牙さんは
心臓が痛む私を、公園に置き去りにして
好きな子を探しに行っちゃったし。
入院中の面会にも、
一度も来てくれなかったみたい。
電話をかけても通じない。
スマホのメッセージも、ブロック状態。
『拒否られているって気づけよ!』って
その時の自分に喝を入れたいくらい
まだ氷牙さんと繋がっているって
なぜか信じていたんだけど……
退院して。
実家に帰って。
送り返されていた、
私の私物が入っている
段ボールの片づけをしていた時。
『もう二度と、俺に関わるな!』
怒りが込められたような文字が、
段ボールの底いっぱいに、書かれていたから
ボロボロに泣いて。
父の目の前だってことすら気にせず、
ワンワン泣いて。
自分が嫌われている現実を、
やっと受け入れ
私は完全に、氷牙さんを諦めた。