ードンッ
廊下で人がぶつかって、女の子が吹き飛ばされた。
だけど、周りは何も気にしていない様子。
私はその子に駆け寄って、荷物を拾う。
「大丈夫?」
「大丈夫です」
ちょっと辛そうな顔をする女の子。
よく見てみると、膝から血が出ていて。
「ちょっと、時間ある?」
「えっ!はい…」
驚いた顔をして、少し震えている。
「ちょっと手当てするだけだから、大丈夫。
そこの、ベンチに座ってくれるかな?」
少し信用してくれたのか、私に従ってベンチに座る。
私はカバンから、ポーチを取り出し、その中から消毒液と絆創膏
を取り出す。
「ちょっと、しみるかも」
「う」
出来るだけ優しくしてるけど、痛そう…
「はい、出来た。
じゃあ、もう行くね」
さすがに、胡桃沢さん待たせすぎたかも。
「ありがとうございました!」
声を張りあげて言う女の子に、「いえいえ」と返す。
「さっすが、水輝ちゃ〜ん。
やっさし〜」
茶化されるように言われ、私は顔が熱くなるのを感じた。
「照れてる水輝ちゃんも、カワい〜」
「もう、茶化さないでくださいよ」
「あ〜、また照れてる」
私達はこんな会話をする仲。
知り合いというよりは、親友?みたいな感じで。
「水輝ちゃん、ここが理事長室。
何回も来るかもしれないから、覚えてね」

