特命、とは。表立って動けない要職様の諜報部員だ。主の命により、人物、事件、あらゆることを調べて情報を献上する。

主に代わって、秘密裏に動くのがお仕事。『影』とも言われている。



「そこで命じられた件から、この毒殺未遂事件に繋がってきた」



……要するに、天帝様の天命により、特命の竜樹様はとある件を捜査していた。

どんな経過かはよくわからないが、私が冤罪をかけられたこの毒殺未遂事件が関係あるということ?



その続きを心して聞こうと背筋を伸ばしたが。

……まさか、予想の範囲から大きく外れた話を聞かされることになろうとは。



「……俺が命じられた件とは、ここにいる異世界からの使者三人と共に、とあるお尋ね者を探すこと」

「お、お尋ね者?……いっ、異世界っ!」



突然の話のフリに、驚きのあまり思わず変な声が出てしまった。心臓が急にバクバクとさせられる。

竜樹様は普通に頷く。



《それに俺たち、この世界の住人じゃねぇし》




い、異世界?!……この人たちが?!

さっき言っていたことは、本当だったの?!