『聖獣の儀』が成功した例は、この天界でも初めて。

これを皮切りに、他の若き神族の御子にも『聖獣の儀』がどんどん進められていくだろう。

そして豹牙様は、その聖獣・白虎を引っ提げて、ガーディアン契約にも成功。

現在は、契約した人間【神童】と交流を重ねて、人間界にも出入りしているとのことだった。

今回の文には、私へのお祝いの言葉と、近況報告が。……快適な野営の道具を人間界から調達したので、今度一緒に野営しないか?外で一緒に肉を焼こうというお誘いだった。

外で肉を焼くのはいいけど、野営?討伐遠征でもないのに?



しかし、豹牙様は……この一年半で、随分と偉業を成し遂げた。

着実に前に進んでいる。強くてイカした立派な神族への道を。

私も、頑張らなくちゃ。



……だが、私自身も。挑んだことは、神術士の修行だけではないのだ。

どうせなら、派手に夢を見ようじゃないか。

聖威の受け売りの言葉に忠実に、機会に巡り会えればどんなことにも挑戦してきた。

この竜王領に来てからの一年半、ただ前を向いて上を向いて、突っ走ってきた。

だからこそ、この充実感があるというものだ。