この学校という様式は、とても斬新だった。

皆で基礎を学ぶ期間は、一年。それ以降は見習いとして竜族神術騎士団をはじめ、各騎士団、神術士団、兵団に所属して実践を重ねることとなっている。

基礎の一年が過ぎたら、どの団に所属しても良いのだ。



そして、楽しかった。仲間と共に学ぶ一年は。

今回、養成所で学んだ同期は三十人。様々な身分や立場の者が集められていた。私と同じく、貴族令嬢もいたり、平民の人間の子もいたり。はたまた、天部衆の令息様もいたり。

でも、身分関係無しに対等に接して、共に学ぶ。毎日が寝る暇もないくらい忙しかったけど、有意義な時間だった。一年は本当にあっという間。



そして、本日。その養成所の基礎課程を修了する。

これから昼過ぎに、修了記念のちょっとした式典が開催されるのだ。

人間界では、これを『卒業式』というらしい。



本当に有意義な一年だったな……。



私の神術士の腕前は、どうなったのか?

それはもう、寝る間も惜しんでひたすら術陣の展開図を覚えたり、実践を重ねてましたから?ひとつしか知らなかった術式も、今となっては一通りの術式を学んだ。

……ちなみに、本来ならここまで覚えるのには、ニ、三年かかるという。この養成所の教育課程は余程効率が良いものらしい。