その前日に療養を終えた韋駄天様とは、話す機会を設けて、本人の納得いく謝罪を受けた。

私からも、今後の生活や目標をはっきり伝えると、反対もせずに「頑張ってこい!」と激励された。今後も支援するし、何かあれば頼ってこいと。

出て行く息子の元婚約者なのに、なんて有り難いことを言ってくれるのか。



被毒術陣からすっかり回復した伽藍様も、私の決断を引き止めることもなかった。

「今までありがとう。これからも私たちの関係はずっとだからね?頑張って!」

と、これまた激励されて、熱く抱擁まで交わした。

「お兄様もバカね?でも、私も修行しようかな……」と、伽藍様の呟きに、韋駄天様が「そりゃおまえには無理だろう……」と、呆れていたけど。



そして、別れの時が来る。

でも、それは終わりではなく、始まりで。



「舞空、頑張れ!」

「どうせなら、世界一の神術士でも目指せ!」

「派手にやってこいぃっ!」



侍女仲間と豹牙様まで加わっての盛大な激励に、周りを気にしちゃうぐらい恥ずかしくなるけど。



……でも、どうせなら上を向いて見上げて。

そのぐらい、派手に夢を見るよ?私は。



「みんなありがとう!……いってきます!」



私の物語は、これから始まるんだ。








====================
あとエピローグで終わりです