「俺たちに着いて月輪界に来ちゃったら、一軍人として戦いに明け暮れるしかなくなるぞ?その兄上の側近はおろか、立派な神族にはなれねえなぁ?」

「うっ……」

「いっぱい勉強もしなくちゃだし、鍛錬しなきゃだしな?俺といると、ずっと遊んじまうぞ?ギャンブルと女で破滅?!うわははは!……立派じゃない腑抜けた神族になっちまうって」

「そ、そんなことないぞ!」

「……だから、約束しよう。また逢うその時までに」



そう言って、天子・豹牙様の頭をクシャリと撫でる。



「いつかまた逢える、その時まで。坊ちゃんは強くてイカした立派な神族になる」

「翼……」

「俺は、酒と女を程々にする。ってね?」

「絶対無理な約束すんな」

銀太さんの容赦ないツッコミが痛い。



「次、また逢えるのか……?」



疑り深く問う豹牙様に、翼は「もちろん!」と、満面の笑みを返す。



「絶対、絶対だな?」

「もちろん。モチのロン」

「絶対、絶対絶対絶対絶対だな?!」

「はい、それはもう」



豹牙様のぐずぐずになった瞳に、光りが灯る。

そして、深くしっかりと頷いた。