……そうだ。まだ諦めてはいけない。

架威はまだ、この大広間内にいるかもしれないんだ。

最後の最後まで、足掻け。

そして……私も力になりたい。



私も、最後まで戦うんだ。

……戦う以上、私も戦士だから。仲間だから。



「わ、私、その事を伝えてきます!一緒に探します!」

「……あ、舞空嬢!ダメだ!」



天王様の制止も聞かず、みんなの下へと向かうために立ち上がろうとした。

だが、駆け出そうとした、その時。



(……あっ)



目の前の視界がグニャリと揺れて、急に真っ暗となった。

何かと思うその前に、意識がプツンと途切れる。



「あぁっ!舞空嬢!」

「……舞空?!」



……自分の置かれていた状況を少し、忘れていたようだ。

そうだ。

私、人型魔族一匹討伐するぐらいに、神力放出していて。

体内の神力が空っぽだった、ということ。

もう、事切れる寸前だったということ。




「舞空、どうした!何で倒れた?!」

「……狼毅、ちゃんと見てれったろがぁぁぁ!何やってんだおまえぇぇ!」




私の傍でぎゃいのぎゃいのと騒ぐ声も聞こえず。

私はそのまま暗闇に意識を手放したのだった。