男の人と一緒に料理することが、こんなにも楽しいなんて。

袖を捲って露出された銀太さんの筋肉質な腕が、ふと目に入ってドキッとしたり。……ああぁぁ。いやらしいよね、私。



話は戻って。今、私が挑戦している料理とは、おやつ。

苺のチョコがけ。

板状のチョコを削り、湯煎という技術で溶かして苺に絡めるだけの簡単な料理。



竜樹様が昨日、苺を差し入れしてくれた。

いつ食卓に出そうか迷っていたところ、聖威が、『月輪界にはこんな苺のスイーツがある』と教えてくれたのが、この苺チョコだ。

スイーツとは、おやつ甘味全般のことを意味する言葉らしい。

「え?何それ。食べてみたい!」と願望を口にしたところ、銀太さんが「簡単に作れるぞ」と教えてくれて、今に至る。

今回のも美味しそう。



「ほら聖威、出来たぞー」

「おおぉぉ!苺、乙女の夢!」

聖威はその呼びかけを聞いては、食卓に一番乗りで着席する。

その変な表現、どうにかならないの。

紅茶を淹れながら、苦笑いしてしまう。



「舞空も聖威と一緒に先食べてろ。後片付けはやっとくから」

「は、はい、ありがとうございます」