……宣言通り、翌日の夕食にはその『はんばーぐ』を食べさせてもらった。
見た目は斬新でオシャレで、美味しかった……肉汁もそーす?も。
上に乗ったちーず、トロトロで病みつきになる美味しさだった……あぁ、美味にうっとりしちゃう。
確かに。あれは警戒されてしまうかも。
『食の細かったうちのお坊っちゃんも、うまうま食ってたぞ?ハンバーグ。おかわりしていて、天妃様も喜んでたけどなー?』
……その『うちのお坊っちゃん』の侍従として善見城に潜伏していたのは、翼だ。
その主とは……天子様。
天帝様の次子、梵天・豹牙(ひょうが)様だ。
齢10歳で、兄である天王様とは歳が離れているせいか、蝶よ華よと大切に育てられてきた御方だ。
……だが、それ故に少々やんちゃでイタズラ好きなところがあるようで。
お調子者の翼と意気投合してしまい、そのイタズラは大加速してしまった。
教育係として御付きの毘沙門天様を二人で揶揄ったり、小うるさい侍従長を騙して池に突き落とすのは、序の口。
女性の湯殿を覗くような真似をしたり、女性のお召し物を捲って逃げたり……ちょっとちょっと、天子様を変態にする気?!
あと、変な言葉や芸を教えたり。
『……天子様にチクビームはないだろ!チクビームは!女官長が泣いてたぞ!』