ねえ、坂田は? 「坂田も……いつか普通の人間に戻っちゃう?」 「戻ると思いますか」 「全然!」 というか、無理だと思う。 うちを出ても坂田は坂田でしかない。 「もう寝ましょう」 「えーっ。まだ話がしたいのに!」 「体育大会の練習でお疲れでしょう」 「坂田は見に来てくれるよね?」 「ええ。もちろんですよ」 というか、いるもんね。 用務員だし。 わたしの活躍見逃したら許さないから。