「あっ、お婆ちゃん」

身体を起こしつつ乱れた服を直す。

お婆ちゃんが手にしていた段ボール箱が気になった。

「それなーに?」

「物置部屋を片付けようと思って整理してたら出てきたのよ」

静かに読書してた(偉い)栞ちゃんも気になったのか、本を閉じて近寄ってきた。

「開けてもいい?」

「いいわよ」

まるで宝箱でも開けるかのような気分で開く。

「わっ! すごい」

「風鈴、花火、うちわ。これは……?」

「蚊取り線香よ」

くるくる巻かれた緑色の蚊取り線香。初めて見た。

他にも、風鈴や花火などの夏の風物詩が入っている。

「この花火できるの?」