夜になると、先に入居していた冬鳴(ふゆな)さんが帰ってきた。

「初めまして、冬鳴です。それと息子の広海(ひろうみ)遥海(はるうみ)、娘の天緒(そらお)です」

少し疲れた顔をしている冬鳴さんは、3人の子供を連れていた。

仕事帰り、3人を迎えに保育園へ行って帰ってきたらしい。

山吹のお婆ちゃんが「子供達にご飯を食べさせちゃいますね」と声をかけると、

冬鳴さんは「お願いします」と謙虚に頭を下げて、ため息を吐きながら2階へ上がっていった。

帰って早々元気に走り回る子供達とは反対だ。

「大変ねぇ〜」

「お母さんだって明日から仕事でしょ。疲れて帰ってきた日はお母さんもあんな感じよ」

「あのくらいの子供達が3人もいるのといないのとでは全然違うのよ。由麻ちゃん、助けてあげてね」

「もちろん」