よほど月が明るい夜以外は、この土岐館からでも十分に天の川を見上げることができる。


 あとは雨雲にさえ邪魔されなければ……。


 「七夕でも、中秋の名月でもよい。待っている」


 有明は私に微笑みを浮かべた。


 待っていてくれる人がいることが、私を強くさせるような気がした。