朝目覚めると、バターのいい香り。

祖母と暮らした大阪では、ありえへん朝の匂いを嗅いだ。

昨夜11時くらいに帰ってきた私をあの女は知らない。

なぜなら母が帰って来たのは午前2時だからだ。


顔を合わせる勇気がない。



腫れた顔も切れた唇もそうだが、
そもそも話す事がない。

バターにはそそられたが、寝た降りをてし
やり過ごした。

それより、学校へ行くかどうかが最大の問題だった。




<ピーンポーン>


家のインターフォンがなった。