違うーーーー。
確かに私のベッドに"あいつ"はいた。


そしてーー私の首を冷たい手で絞めていた。
それは間違いないこと。


「あいつがいたの!
あいつが私の首を締めた!」





そうーーずっと私のアシスタントだった。
たかしーー。
異常なまでの母親に執着を持つあいつ。

私の首を締めたのはあいつーーーー。



ところが明かりがついた途端、ヤツはいなかった。




変わりに首に感じる痛み。




「誰もいないのよ。
麻生さんが、自分で自分を傷つけたの。落ち着いて大丈夫だからーー」




"落ち着いて、大丈夫だから"ーー。





私、おかしいの?



確かに冷たい手が、私を締めた。