その夜ーー。


無数の蟻に襲われてる夢を見た。

1つ1つの蟻は、どんどん増えていき、私は蟻が作った穴に落ちて行く。


そして這い上がれないーーーー。



まさにーー"蟻地獄"。



無数の見えない狂気に、囚われて動けないーー。

あと少しーーあと少しと何かに捕まった。
それは黒い何かーー。

ぎゅ、と捕まったら、長い黒い紐だった。





いや違う。
それが、不意にこちらを向いた。







あかりの首だった。





「うわっ!、夢?」



夢じゃなかったら、気味が悪くてたまらない。


だけど手に残る異様な感触。

私は確かに"何か"を掴んだ。