「なんで、笑わなかったのかな?
どんな顔してたの?」




私がそう聞いた時ーーーー。

リビングが凍り付いた気がした。




ひんやり、とした室内ーーーー。

気温が急に下がった気がした。


それは、私の首に当てられたナイフに


ヒヤリ、としたのがわかったからだ。


「ーーそう、そんな顔。
ナイフを首に当てられて、顔が硬直した様な、顔。
俺ーー、そんな顔がこの世で1番嫌いなんだわ」



ゾクリとしたーー。




たかしくんが怖い。


私が知ってるたかしくんってこんな人じゃ無かった。


配信でしか、知らないけど
優しいアシスタントさんだった。

スマイルさんとは、大違い。

ナイフはスっ、と消えてーーーー
変わりに暖かな体温が私を包んだ。


紛れもないたかしくんで。




「ごめん、びっくりしたよね。

終わったし、ご飯食べに行こうーー。
車も、違う車にしたし」


私への配慮か、車はもう1つあってーー赤いスポーツカーだった。