30分より少しだけすぎてしまった。
「やっぱり女の子だね。
時間かかるよね。まあ、行こうか」


車は発進。

そう言えばたかしくんの家は、どこ?
家まで近かったよね。

来るのーー。

「東京に来る用事がたまたまあってさ。近くにいたんだ。
本当は神奈川でさ。
LINE見て良かったよ」


私が何かを言う前に、たかしくんは見抜くーー。


そんなセンスがある人なのか。


私は分からない。




神奈川かーー。

神奈川も広いけど。


同じ関東でそんな遠くない事で、親近感を感じていた。

車は、遺体を乗せて進んでいく。


ちゃんと閉じてあるのに、悪臭がする気がして、後ろばかり気にしてしまう。

「気にしすぎだよ。
大丈夫だよ。
俺が味方だよーー」


"俺が味方だよ"ーーーー。

その言葉に安心して、差し出された左手をぎゅ、と掴んだ。