「まあ、誰であろうとここにあるのはまずいからーー移動しょうか」


移動ーーーー?



箱を閉じたたかしくんは、赤い紐で箱を結び直した。

それを軽々持ったたかしくんは、車に運んだ。


誰も居ないのは、好都合。

まだ、今は11時。
とりあえず遺体を車に乗せ、私は出かける準備をしていた。





「今日は家に運ぶから、お泊まりコースでいい?

大丈夫な準備してきて」



えっーーーー??



お泊まりコース?



「え、たかしくんの家に?
大丈夫なのかな?
親とかーーーー」


こんな状況をなんて説明したらいいか、分からない。



「ーー大丈夫だよ。
1人暮らしなんだ。
両親、死んじゃったから。

両親が残した会社を、俺が引き継いでるーー。

人を笑わせる幸せに出来る会社だよ」



ーーーーたかしくんにそんな過去が。


私は、お泊まりコースに頷いた。





「準備するから30分だけ待ってて!」


私は、お泊まりグッズをかき集め、こんな時なのにドキドキした気持ちで居たんだ。


私達は付き合ってる訳じゃないんだから、いきなりのお泊まりに、ドキドキが止まらないでいた。