「あんたは、私をどうしたい訳?」



私がたかしくんならーーーー
同じセリフを吐くだろう。







「君をーー殺したい。







愛してるから







殺したいーーーーーー」








"愛してるから、殺したい"ーーーーーー。







好き過ぎて、殺したいなんてーー
ただの自己満で、笑える。





だけど、こいつの狂気と、私の狂気は似ている。


「奇遇ね。
私も同じこと願っていたわ。
あかりが居なくなった今ーー、私みたいなサイコは他に必要ない。

2人も要らないわ。
勝負しましょうーー。
私が消えるか、あんたが消えるか」



身体から離れてしまった生き霊が
どちらを食い尽くすか。


「いいよ。

じゃあゲームスタート」





たかしくんの指が私の喉を抑えた。


強い力ーーーー。


だから私は、弱い力ながら隠し持っていたナイフでたかしくんを刺した。






ほら、私の勝ちーー。





ナイフには勝てない。

ざまぁ見ろだ。




そして、何回も何回も
私はたかしくんを刺した。





電話BOXが赤く染まるーーーー。



人の悲鳴。


「麻生さん!!!
しっかりしてっ!」







私はしっかりしている。






泣かないでよ。




私は目に見えるものに、ナイフを向けただけ。




私は、たかしくんの苦しむ最期を看取りながら瞼を閉じた。








これが、私の最期の瞬間ーーーー。