弁当を食いはじめると、上谷がぽつりとつぶやく。



「……あのさ、莉生って、好きな奴いる?」



どこかトゲのある上谷の声。



んん?



なんだか、上谷の様子がいつもと違う。



「いきなり、どうした?」



「……じゃ、質問変えるな。なんで同じ弁当、食ってんの?」



「同じ弁当って?」



「春宮さんと、莉生の弁当、全く同じだよな。なんで?」