冷徹王子様は、あたしだけに甘い恋をする。



「この新作のスカートかわいい!なっちゃんに似合いそう」


お目当てのショップに着いたはるかは、淡い水色の涼しげなチュールスカートをあたしにあてる。


「うん、やっぱり似合う!」と、頷くはるかに、「かわいいけど、あたし今月金欠だから」と、やんわり断る。すると、

「似合うのになぁー……」

少し残念そうに、はるかはスカートを元に戻した。


「自分の服買いに来たんでしょ?」


平然を装って指摘するけど、本当はそわそわして仕方ない。


さっきはるかは、『一緒に遊びに行く約束出来た』と言った。

その言い方からして、相手は女の子じゃない。


相手はきっと……冬哉だ。


はるかの言葉と、昨日鳴った冬哉のスマホが重なって、胸の奥が苦しい。

目の前には鼻歌混じりに服を選ぶはるか。


やだな、あたし嫌だと思ってる。

はるかのこと、大好きなのは本当なのに……冬哉と遊びに出掛けると聞いて、嫌で嫌でたまらない。


何であたしこんなに嫌なやつになっちゃったんだろう……。


喉の奥がピリピリして、背負ったリュックの肩紐をぎゅうっと握る。すると、