冷徹王子様は、あたしだけに甘い恋をする。



「おかえり。今日はそれ貰ったの?」

「うん、一緒に食べよ」


自分の席に戻って、あたしは貰ったばかりのチョコを開けて、二個ほどはるかに差し出した。


「橘くん、本当に優しいよね」


「ありがとう」と受け取りながら、はるかが微笑む。

その柔らかな表情に、チクンとまた胸が痛むような気がして、


「そうかな? ていうか、この前も数学の教科書借りに来たし、忘れ物多すぎだよね」


誤魔化すようにそう言って、あたしは苦笑した……けど、目の前のはるかは「んー……」と、何か腑に落ちない表情。

そして、


「忘れ物……だけかな?」

「え?」

「橘くんがうちの教室まで来たの、忘れ物のためだけかな?」


首を傾げて言うはるかだけど、こっちの方が意味が分からなくて、「どういうこと?」と聞いてみる。すると、


「なんていうか、橘くんがわざわざうちの教室まで来たのって、心配して様子を見に来てくれたんじゃないかな……って」