冷徹王子様は、あたしだけに甘い恋をする。



「ばーか、冗談だよ」


笑って言いながら離された手は、あたしの頭をくしゃくしゃと撫でる。


「冗談……って、もー」


冬哉の笑顔にホッとしたのもつかの間。


「昨日言ったこと、忘れていいから」

「え……」


続けられた冬哉の言葉に、あたしの頭は真っ白になる。


「昨日の夜、部屋で言ったことは忘れて。やっぱ夏海は……幼なじみだわ」


ポンポンッと軽く叩くように頭を撫でて、冬哉は立ち上がった。

すると、そのタイミングでヴーッとスマホが震える音。


あたしのスマホはテーブルの上にあって、マナーモードにしてないから違う。

鳴ったのは……冬哉のスマホ。


ポケットからそれを取り出すと、冬哉は軽く画面を確認した。そして、


「おやすみ」


ひと言残して、そのままリビングを出て行った。