冷徹王子様は、あたしだけに甘い恋をする。




「……はぁ」

夕食の片付けを終え、ソファでテレビをぼんやりと観ながらため息をついた。


せっかく冬哉と普通に話せていたのに、あたしがその『普通』の空気を壊してしまった。

あれから冬哉も片付けを手伝ってくれて、何もなかったように接してくれたけど……やっぱりいつもと少し様子が違う。

よそよそしい空気が、あたし達の間に流れていた。


……これからどうしたらいいんだろう。

もう前のようには戻れないのかな……。


考えれば考えるほど、胸の奥がぎゅっと苦しくなる。


「冬哉……」


ここにはいない彼の名前をポツリと呟いた──次の瞬間。


バタンッと廊下の向こうでドアの閉まる音。

ビクッとしたあたしは、ピンと背筋を伸ばす。


スタスタと歩いてくる足音が聞こえて、ガチャリと開けられたリビングのドア。

ゴシゴシとバスタオルで髪の毛を拭きながら現れたのは──他の誰でもない、冬哉。