おう、素直じゃん……じゃなくて!!
「栗山さんに謝りなよ!」
「何で」
「何でって、泣きそうな顔してたよ!?」
あたしのことを睨みつけたその目には、ほんの少し涙が滲んで見えた。
「は、勝手に人のライン調べ上げて、ブロックしたら家まで押しかけてくる方が悪くね?」
「う、それはそうかもしれないけど……」
冬哉の何が悪いかって、女の子に対する態度。
橘 冬哉(たちばな とうや)、16歳。
あたしの幼なじみで、同じ高校に通っている。
スッと通った鼻筋の端正な顔立ち。
身長は180センチちょっとあるらしく、誰が見てもまぁ……カッコいい。
おまけにスポーツ万能、勉強してるところなんて見たこともないけれど、何故か優秀。
容姿も何もかも誰が見てもパーフェクトな冬哉は、当然のようにモテる。
だけど……そんな冬哉に群がる女の子達への対応は、冷たいなんてものじゃない。
下手にしつこくすれば、まるでゴミでも見るような目で睨み返される。
大抵の女の子はそれで怯んで、近寄らなくなるんだけど……。



