冷徹王子様は、あたしだけに甘い恋をする。



さて、どうしたものか……。


ひとりになったキッチンで、冷蔵庫を開けて首を傾げる。


冷蔵庫の中のもの、何でも使っていいって言われたけど……何を作ろう?

……ていうか、メニューより先に考えるべきは、今夜冬哉とふたりということ。

昨日の今日で、どんな顔をして過ごせばいいんだろう。

そもそもあたしと話してくれるのかな……。


今朝、冬哉を避けたのは自分の方なのに、とてつもなく後悔する。


もしあたしが夕食を作ったとしても、食べてくれないかもしれない。

だったら、コンビニで何か買ってきた方が……。


なんて考えていると、玄関の方でガチャンと鍵を開ける音がした。

そして──。


「ただいま。何やってんの?」


何の躊躇いもなく、真っ直ぐリビングのドアを開けた冬哉。

あたしが先に帰っていたのは分かっていたようで、特に驚く様子もなくキッチンに立つあたしに声をかけてきた。


「え、えっと、今日冬哉ママとパパいないらしいんだけど、夜ご飯どうしようかなって……」

「ああ、さっき電話で聞いた」