冷徹王子様は、あたしだけに甘い恋をする。




「あっ、夏海ちゃんおかえり!ちょうど良いところに帰ってきた!」


学校が終わって、冬哉と同じタイミングにならないようにわざと早く帰宅すると、何だか急いだ様子の冬哉ママに迎えられた。


「ただいま……って、どうかしたの?」


見るからによそ行きの綺麗目ワンピを着て、お出かけ前な雰囲気の冬哉ママに首を傾げる。


「実はね、今度父さんの部下の人が結婚するんだけど、今日その人とお嫁さんになる方と4人で食事会だったの」


「すっかり忘れちゃってて、さっき父さんに連絡もらって慌てて準備してるところなのー」と、冬哉ママ。


「それで、夏海ちゃんと冬哉の晩ご飯どうしようかと思ってて。簡単なものなら作れるけど……」

「あ、そういうことならいいよ。あたしが適当に作るよ」


「ほんと?ごめんね、そう言ってもらえると助かる」と、冬哉ママは両手を合わせる。


正直、料理にあまり自信はないけれど、今まで3食、お弁当まで作ってもらいながら、こんな時にも作らせちゃうなんて申し訳ない。

「全然気にしないで」と笑って、あたしは冬哉ママを見送った……けど。