冷徹王子様は、あたしだけに甘い恋をする。



「うん、うん、そっか……良かった。じゃあ日曜日だね。うん、また連絡して」


ママからの話の内容は、パパの術後の経過が順調なことと、予定通り日曜日にはこっちに戻ってくるということだった。

パパが大丈夫そうで安心した。

でも日曜日まで今日を入れてあと3日、冬哉の家で過ごさなきゃいけない。

この状況でどうすればいいんだろ……。

電話を切って、「はぁ」とため息をついた瞬間だった。


「なっちゃん!」


いつの間にか学校の手前。

かけられた声にビクッとして振り返ると、嬉しそうに駆け寄ってきたのははるか。


いつもと変わらない、無邪気に向けられた百パーセント好意的な笑顔。

大好きでたまらないその笑顔が、今日はとても苦しい。

だって……。


「おはよ、今日ちょっと学校来るの早くない? それに橘くんと一緒じゃないんだね」


首を傾げ、不思議そうに尋ねてきたはるかにドキッとする。