冷徹王子様は、あたしだけに甘い恋をする。


「あ、夏海。おはよ」

「おはよう……って」


今、この状況で話しかける!?
めっちゃあたし、睨まれてますけど……!!


「毎日毎日、おせーんだよ。ほら、早く行かないと遅刻する」

「あ、うんっ……」

「ちょっ!ちょっと待ってよ!」


栗山さんの存在を無視して、歩き出した冬哉。

遅刻すると言われて、ついあたしも冬哉を追いかける……けど、当然のように栗山さんが呼び止めた。


「まだ話が」

「俺はあんたと話すことなんかない」

「っ……」


あまりにあっさりと言い切る冬哉に、栗山さんはぐっと言葉を飲み込む。そして、


「幼なじみだからって、調子のんないでよ!」


キッと睨みつけてあたしに言い放つと、そのままくるりと背を向けて走って行った。


「え……何であたし?」

自分で自分を指差しポカンとしていると、「ほら行くぞ」と、冬哉。


「ちょっと待ってよ、あたし今冬哉のせいで嫌われちゃったんだけど!」

「ああ、ごめん」

歩きながら、冬哉はさらりと謝る。