状況が理解出来ず、目をパチパチさせるあたしに対し、真っ直ぐ真剣な目で見つめる冬哉。


「本当にそんだけ?もっと他に言いたいことがあるんじゃねぇの?」


まるで何もかも見透かすような冬哉の目に、自分の瞳が、感情が揺れるのを感じる。

だけど……。


「何も……ないよ。どうしたの、冬哉」


誤魔化すように、必死な笑顔を浮かべ尋ねると、冬哉は一度「はぁ」とため息をついた。

そして、


「俺はある」


言い切って、再びあたしを真っ直ぐ見つめる。


「夜にこんな格好で部屋に来て、ちゃんと自覚してんの?」

「え?」

「俺が男だって、ちゃんと分かってんの?」

「っ……!?」


呆れたように言われて、急に自分の姿を意識して、恥ずかしくなってカァッと顔を赤くする。


Tシャツにショートパンツの、確かに男子の前では露出部多めなラフすぎる部屋着……だけど!


「今さらこんなの見慣れてるでしょ!子どもの頃からずっと一緒なんだし」

「は?だったら目ぇ逸らすなよ」


気まずさから顔を逸らそうとすると、掴まれた腕にギュッと力を入れられた。

その瞬間、ギシッとベッドのスプリングが軋む。