冷徹王子様は、あたしだけに甘い恋をする。


「告ってきたやつ全員に、お前に手ぇ出すなって話してんだよ。最近は言わなくても伝わってたりするけど」

「え……ええっ!?」


思いがけない返答に、びっくりしたあたしは思わず大きな声を上げた。


「そんな驚くことないだろ」

「驚くよ!だって初耳!そんなこと聞いてない!」

「わざわざ話すことでもないし。つーかお前、放っといたら絶対何かされるだろ。中学ん時も、怪我させられそうになったことあるし」


頬杖をついて、何でもないことのように冬哉は話す……けど。


「だったら、もしかして今日友永さんに、前に言ったこと忘れてないよなとかって言ってたの……それ?」

「そうだけど」


あっさりと言う冬哉に、目をパチパチさせる。

何でもないことのように簡単に言うけど、それって……見えないところでずっと、あたしを守ってくれていたということ。

今まであたしが平穏な学校生活を遅れていたのは、冬哉が陰で守ってくれていたおかげ。


「なんで……」


どうしてそんなにあたしのことを大切にしてくれるの?


震えそうになる声で、問いかけようとした瞬間だった。