「うかうかも何も、冬哉がモテようがモテまいが関係ないし。そもそも、冬哉に彼女なんて出来っこない……って、やば!」

テレビの隅に表示された時刻を見て、あたしは急いでご飯をかき込むと、「ごちそうさま!」とカバンを持って席を立った。

そしてそのままバタバタと靴を履き、玄関の扉を開ける。


冬哉は……って、やっぱり。


家の前。正確にはお隣の家の前。

さっきまでママと話題にしていた人は、予想通りそこにいた。

……女の子と一緒に。


「だからそういうの、ウザいって言ってんじゃん」

「何で!? ちょっと連絡してくれるくらい、いいじゃん!」


見るからに鬱陶しそうな顔をする冬哉と、口を尖らせて食い下がる、ピンクのカーディガンにセーラー服の女の子。

どこかで見たことあるような……と、思ったら、同じ中学だった栗山さんだ。

くるくるに巻かれた髪とメイクのせいで、パッと見わからなかったけど、一番可愛いと噂されていた女の子。

高校生になって、更に垢抜けて可愛くなったなぁ……なんて、呑気に思っていると、