「はるかはそんな子じゃないっ!」


あたしは大きく叫んだ。


「なっ……!」

「なっちゃん?」


あたしを見るなり、あからさまにバツの悪そうな顔をする友永さん達と、目を丸くするはるか。


「今まであたしが何人、冬哉目当てで近付いてきた女の子達を見てると思ってんの?」


言いながら友永さん達を睨みつけて、はるかの元へと急ぐ。


そう、今まで何人も見てきた。

冬哉に近付きたいがために、あたしと仲良くしようとする女の子達を。


だから、はるかは違うってちゃんとわかる。


「大丈夫?」

「うん……」


しゃがみ込んで肩に手をかけると、あたしを目の前に微笑んだはるかの身体は、微かに震えていた。


「……はるかにこんなことしなくても、冬哉はあんた達には振り向かないよ」

「は?」


はるかに触れたまま、あたしは振り返って友永さん達を再び睨みつける。

すると、動揺した表情だった友永さんは、何か悪事を閃いたみたいにフッと口角を上げた。