待っていてくれたんだと嬉しくなるより先に、ドクンと嫌な予感がした。
それは、厄介だと思わずにはいられない人と一緒だったから。
いや、まさかね……女子トイレとかベタすぎるし。
そう自分に言い聞かせながらも、鼓動は早く大きく、足取りが重くなるのは、はるかが決して楽しそうな顔をしていなかったから。
勘違いでありますようにと願いながら、あたしも女子トイレへと向かうと、
「マジでうざいんだけど!」
威勢よく響いた声。
それは友永さんのもので、慌てて覗くと突き飛ばされたであろうはるかが、尻もちをついた形で倒れていた。
「やめっ……」
「山下さんと仲良くしてるのだって、本当は冬哉くん目当てなんでしょ!?」
あたしが止めに入ろうとした瞬間。
友永さんが言い放った言葉に、ピタッと動きを止める。
はるかがあたしと仲良くしてるのは、冬哉目当て……?