『はるかなら大丈夫だよ!とりあえずふたりでって誘ってみたら?ダメだったらその時は協力するから!』
──なんて勢いで言ってしまったけど、どうなったんだろう。
「うーん」と少し渋っていたはるかだったけど、誘ってみたのかな。
そして、冬哉の返事は……。
脳裏に私服姿で並んで歩く、ふたりの姿が浮かぶ。
……って、あれ?
どうして胸の奥がチクンと痛むんだろう。
速度を緩めた足。だけど、ぶんぶんと首を横に振って、あたしはまた早足で歩き出した。
きっと、幼なじみと親友が同時に離れていく気がして寂しいんだ。
でも、そんなこと言ってられない。
はるかに協力すると言った手前、もし冬哉が断ってしまった時のことを考えておかなくちゃ。
そう気を取り直して教室へと向かっている途中だった。
え……?
教室よりも少し手前のトイレに女子数人がトイレに入っていくのが見えた。
それだけだったら特に何も思わない。
だけど、囲まれるようにして、中央にいたのは……はるか?