水色のブラウスに、えんじ色のリボン。
チョコレート色のチェックのスカートを履いて、ネイビーのブレザーに腕を通す。

1年前に初めてこの制服を着た時は、とても嬉しかったなぁ……。

憧れていたこの制服を着たくて、受験勉強というものをそれなりに頑張ったから。



制服に着替えてバタバタとリビングに降りていくと、ふわりとお味噌汁の良い匂い 。

食卓には、ふんわり焼かれた卵焼きと鮭と、ほかほかご飯が既にスタンバイされていた。

あたしが席に着くと同時に、ママがお味噌汁を置いてくれた。


はぁ、お味噌汁の塩分が染み渡る……なんて、ゆっくり味わっている場合じゃない。


「早くしなさいよ。じゃないと、そろそろ冬哉くんが……って、今日は遅いわね?」


あたしがパクパクと箸と口を動かしていると、カウンターキッチンに戻ったママが、時計を見ながら首を傾げた。


「あぁ、どうせいつものだよ」

「そういえば、昨日の夕方も待ってる女の子見たわよ。冬哉くん、ほんとカッコよくなったものね〜」


「夏海もうかうかしてられないんじゃない?」と、からかうように笑うママに「はあ?」と、眉間にシワを寄せる。