冷徹王子様は、あたしだけに甘い恋をする。


「で、どこが分かんねーの?」

「うーん……全部?」

「は?マジでここも分かんないのかよ」

「うん、全く」


課題のプリントの3問目。

指さして尋ねる冬哉に、恥ずかしげもなく頷くと、深いため息をつかれた。


「だからここは、この方程式を使って……」

広げた教科書と手元のノートを使いながら、丁寧に説明してくれる冬哉。

「あ、そっか!そういうことね!」

始めは全く分からなかった問題も、冬哉の説明を聞いた後だと解けるような気がする。

正直、先生よりも冬哉の説明の方が全然上手い。


「バカじゃないんだから、もっとちゃんと勉強しろよ」

「え、褒めてくれてる?」

「褒めてないっつーの」


数学においては、ほぼ毎回平均以下。

そんなあたしに白い目を向けながらも、なんだかんだで毎回こうして助けてくれる。

高校入試の時も、冬哉が付きっきりで勉強を教えてくれたから、合格できたようなもの。


本当は……冬哉はとても優しい。

それこそ昔は、今のようなことはなく、あたし以外の女の子にも普通に優しかった。


──って、あれ……?