冷徹王子様は、あたしだけに甘い恋をする。


「そういえば、橘くんから聞いたよ」

「え?」

「今日から橘くんの家でお世話になるんでしょ?」


あたしがふたりのことをぼんやりと考えていると、はるかはパッとあたしの方を向いて、ニコッと笑った。





「おいしーい!」


一口食べた、ロールキャベツ。
そのあまりの美味しさに左手を頰に当て、あたしはキラキラと目を輝かせながら、感動の声を上げる……と、


「大げさだろ」


あたしの目の前。同じ料理に手を付けながら、呆れたように言ったのは冬哉。


「なんでよ! 冬哉こそこんな美味しいもの食べながら、うっすい反応信じらんない!」

「普通だろ、このくらい」

「はあ!?」

「うふふ、夏海ちゃんがいると冬哉も楽しそうで嬉しいわ」


テーブルに麦茶の入ったグラスを置き、微笑むのは冬哉ママ。


──そう、今朝はるかに言われた通り、今日から一週間、冬哉の家でお世話になる。

と、言っても、普段からお互いの家を行き来していたし、家族のような関係だからこれといって特に変わった雰囲気もないのだけど。