冷徹王子様は、あたしだけに甘い恋をする。


「ちっ、違わないけど……!」

友永さんは顔を真っ赤にして、

「ムカつく!」

はるかに向かってそう吐き捨てると、くるりと踵を返して去っていった。


この感じ、どこかで覚えが……と思ったら、この前遭遇した同じ中学の栗山さんだ。

友永さんといい、栗山さんといい、冬哉は気の強そうな女子に好かれがち……って、今はそんなのどうでもよくて。


「はー……ドキドキしたぁ……」


友永さんが遠ざかっていってから、はるかは肩から大きく息を吐いた。


「もしかして、怖かった?」

「うん、すっごく」


はるかは「えへへ」と苦笑しながら頷くと、


「でも、間違えたことは言ってないと思うから」


小さくなる友永さんの背中を見据え、胸を張って言った。



『私と仲良くするかどうか決めるのは橘くんでしょ?』


はるかが言った言葉……それは確かに間違えてはいない。

冬哉と幼なじみのあたしが絡んでいたとしても、最終的にどうするかは冬哉次第。

最も、こんなに早く仲良くなるなんてあたしも思っていなくて。

冬哉があたし意外の女の子と仲良くなった、それは……相手が“はるか”だったからだと思う。


同性のあたしから見ても、はるかは可愛いし、良い子だし。

冬哉だって──。