「はるかがね、冬哉のことちょっと気になってくれてるんだって!」
下手な嘘をついたところで、冬哉には絶対すぐに見破られる。
だから直球。ストレート。
はるかが聞いたら絶対怒るだろうけど、これもちゃんと作戦のうち。
「あたしが保証するけど、すごく良い子だよ。アプリに入れといたから、ちょっとだけでもやり取りしてみてくれないかな?」
まるで子猫のように、瞳をうるうるさせてお願いポーズをとる。
冬哉は極度の女嫌いだけど、あたしとは家族みたいなものだから、あたしに対しては冷たくしたりしない。むしろきっと、妹のように思ってくれている。
だから……そんなあたしのお願い、あたしの親友ならば、無碍になんて出来ないはず。
「ね、ね?」と、可愛らしく首を傾げてみると、
「……は?」
さっきまでの、ただ単にダルそうな表情から一変。
冬哉は眉間にシワを寄せ、不機嫌と言わんばかりの顔をする。
うっ……。
普通の女の子なら怯むところだけど、ずっと一緒にいるあたしからすれば見慣れている。
もう全く、どれだけ女の子のことが嫌いなんだろう……。