「俺は夏海のこと、ただの幼なじみとなんか思ってない」



あたしを真っ直ぐに見つめ、壊れそうな瞳で切なそうに言う、こんな表情見たことない。


知らないことなんかないと思っていたのに、


あたしの腕を掴む強い力も、
覆い被さる大きな身体も、知らない。


そして、キミの気持ちも──……。



「あ、あたしは……」