冷徹王子様は、あたしだけに甘い恋をする。


「隠れんなよ」


クイっと指でノートを引っ張り、あたしの顔を確認する冬哉。


「夏海のそのバカ正直なとこ、嫌いじゃない」


「っ、あたしは冬哉のいじわるなところ、嫌いだし」


どうせ図星で、耳まで真っ赤ですよ。


満足気な顔をして見つめる冬哉。

あたしは反抗するように言い返してみるけれど、冬哉の表情は変わらず、余裕そうに微笑を浮かべていて。

口に出さずとも、本心は伝わってしまっている。


──本当は、こうして冬哉にからかわれるの、嫌じゃない……って。



「他の子にこんなことしちゃ、ダメだよ?」

「誰がするかよ」


ムッとした顔で冬哉を見つめていたあたしだけど、参りましたとばかりに微笑む。


「全部、夏海だけ」


冬哉の言葉に、どちらからともなく近付いて、あたしは再び目を閉じた──。