冷徹王子様は、あたしだけに甘い恋をする。


もごもごと言葉を詰まらせながら、あからさまにあたしから目を逸らすはるか。

それをあえてじーっと見つめると、



「ちょっと、いいなって思ってる……だけだよ」



茹でダコのように真っ赤になって、うつむきながらそう白状した。


「あ、でも、橘くんは──」


か、かわいい……!!


「あたしが協力してあげるっ!」

「え……」


恋する女の子は可愛いと言うけれど、全くもってその通りだ。

あたしははるかのあまりの可愛さに、ギュッと両手を取って力強く頷いた。


「任せてっ! はるかと冬也、あたしが両想いにしてあげるから!!」