「冗談だって。大丈夫か?」
そう言って、あたしの前髪をサラッと掻き分け、おでこを見る冬哉。
わっ……!
「だっ、大丈夫!」
はるかの前で冬哉に触れられ、ドキッとしたあたしは、動揺するままパッと一歩離れた。
だけど、顔はきっと真っ赤になってしまっていて。
「そうだ!今日お昼一緒に食べない!?」
慌てて誤魔化すように提案すると、冬哉は少し笑いを堪えた様子で「別にいいけど」と、返事した。
そして、そこにちょうど現れたのが──。
「あっ、秋吉くん!」
見つけたその人の名前をそのまま声に出すと、呼ばれた彼はこっちを向いた。
「ね、秋吉くんも誘って4人でお昼食べようよ!」
はるかのブラウスの裾を掴んで言うと、はるかはコクンと頷いてくれた。そして、
「どうしたの?」
「うん、今ね、みんなで一緒にお昼食べようって話をしてたんだけど、護くんもどうかな?」
こっちに歩いて来てくれた秋吉くんに、はるかが伝える。
はるかを見つめる秋吉くんの目線は相変わらず優しくて、
ほら、避けられているなんてやっぱり勘違いだ……と、思ったのに。



