少し距離を取ったはるかが、口パクで「ごめんね」と伝えてきて、首を横に振る。

はるかが秋吉くんに避けられているなんて、そんなことないと思うけど、そう感じるならきっと何かがあるんだろう。


また後から詳しく話を聞こう……と、思っていると、聞くより先に状況を把握することになった。


それは、体育が終わって教室に戻ろうとしていたとき──。




「あっ、冬哉!」


着替えが終わって更衣室を出ると、ちょうど冬哉に出会した。


「お疲れさま」と隣で挨拶するはるかに、冬哉も短く「お疲れ」と返す。


付き合い出してからも、女子に対して相変わらず塩対応な冬哉だけど、はるかは少し別。

あたしの親友で、色々協力してくれたこともあってか、あれからも普通に話している。


「サッカーしてるのちょっと見たよ。今日もすごかったね」

「夏海は今日もヘマしてただろ」

「ちょっ!何で引き合いにあたしを出すの!?」


カッコ良くシュートを決めた冬哉に気を取られ、頭にテニスボールをぶつけたあたし。

冬哉の意地悪に、クスクスとはるかが笑って、あたしは軽く頬を膨らませる。すると、