「秋吉くんと上手くいってないの?」
首を傾げて尋ねてみる、はるかの相手は冬哉と同じグラウンドにいる、秋吉 護(あきよし まもる)くん。
冬哉と同じクラスの黒髪に黒縁のメガネ男子で、インテリ系のイケメンって感じでカッコいい。
はるかと同じ中学で、実はずっと片想いをしていたんだと教えてもらった。
そして、あたしが冬哉と付き合い出してからすぐに、はるかも念願叶って秋吉くんと付き合うことになった。
あたしも何度か話したことがあるけれど、いつだかはるかに聞いていたように、本当に誰にでも優しく接することが出来る穏やかな人。
同じように優しくて、女の子らしいはるかにぴったりで、二人はとても上手くいっている……ように見えていたけど。
「うーん……上手くいってない、ことはないと思うんだけど……」
「どうしたの?」
「なんか、最近ちょっと様子が変っていうか、避けられてるみたいに感じることがあるんだよね……」
少し落ち込んだ様子で言ったはるかに、声をかけようとした瞬間、ギロリとこっちを向いた先生の目。
「やばっ」とふたりで小さく呟くと、あたし達はそそくさと離れた。



