『なっちゃん、ごめんって。許してよ』 『やだ。あのキーホルダー、ふたりの秘密だったのに。何で他の女の子にもあげちゃうの?』 『ごめんって。もうこんなことしないから』 『……じゃあ、夏海以外の子にもう優しくしないって約束できる?』 『うん、できる』 『ほんと?約束だよ?』 冷徹王子と呼ばれるほど、女の子に冷たいあたしの幼なじみは、 子どもの頃のわがままをずっと守ってくれていた、 あたしだけの王子さま──。 end