「ねぇ、そういえばさ、ずっと気になってたんだけど、小学生の時、どうやってあたしは冬哉を許したの?」
「ん?」
「ほら、口も聞いてくれなくなったって言ったじゃん。それで、どうやって仲直りしたのかな……って」
昨日家に帰ってから、ふと浮かんだ疑問。
忘れないうちにと尋ねてみると、「ああ……」と冬哉は相槌をうった。そして、
「夏海以外の女の子に優しくしないって、約束したんだよ」
「え……?」
冬哉の言葉に目を丸くすると同時に、フッと甦る記憶。
そして……ハッと気付く。
昔はあたし以外の女の子にも普通に優しかったはずなのに、それがどうして女嫌いになったんだろうって、ずっと疑問に思っていた。
だけど、もしかして、もしかしなくても、それは──。
「冬哉が他の女の子に冷たくしてたのは、あたしのため……?」
問いかけると冬哉は、何も言わず手を差し出した。



